技術講習会(MALDI-TOF/TOF-MS)

MALDI-TOF/TOF-MS(autoflex speed)の紹介に関するセミナーの開催についてお知らせします。各アプリケーションのスペシャリストが揃うことはなかなかありませんので、普段抱いている疑問等ありましたらこの機会に是非質問して下さい。
少々内容が多いため途中に休憩挟んでおります。休憩時間での途中参加も可能です。

  • 日時:2013年7月9日(火曜) 13時30分~16時30分
  • 内容:autoflex speedを用いたプロテオミクス研究へのアプローチ
  • 場所:遺伝子実験施設 セミナー室(1F)
  • 担当:ブルカー・ダルトニクス株式会社 韮沢祟・岩崎了教・松山由美子
  • 概要
     プロテオミクス研究を進めるにあたってアミノ酸配列解析は非常に重要な技術であり、そのための種々の方法が現在も開発を続けられています。質量分析を用いた手法としては、従来の酵素消化タンパクを対象とする、LC-MS/MSを用いたボトムアップアプローチによる方法に加え、MALDI-TOF/MS/MSを利用した未消化タンパクを対象とするトップダウンアプローチも一部の専門家だけによる特別な方法ではなくなっています。
     トップダウンシークエンスの手法を用いることで、迅速で簡便な配列解析が可能となり、さらに用いる試薬がごく少量であるため、コストもエドマン分解によるプロテインシークエンスと比較して格段に低く抑えられます。また通常プロテインシークエンスではN端のアミノ酸のみを解析しますが、この手法ではN端とC端両方の配列を同時に得ることができます。
     同じく、プロテオミクス研究で重要なものとして糖ペプチドの構造解析が挙げられ、現在では糖とペプチドのそれぞれを同時に解析することも行われるようになっております。更に、質量分析装置を用いた微生物同定法、バイオマーカー探索についてもご紹介します。本演目では既存の技術から最新の技術までご紹介いたします。

    ● ボトムアップシーケンシング とトップダウンシーケンシングの基礎 13:30-14:40
    質量分析によるアミノ酸配列解析法としては、タンパク質を酵素消化しLC-MS/MS等で取得したスペクトルから配列情報を得るボトムアップ シーケンシングが現在最もよく用いられています。しかし、酵素消化されたタンパク質の全体像を読み取ることは非常に困難であると考えられます。それに対して、現在ではインタクトなタンパク質から直接配列情報を得るトップダウンシーケンシングが可能となりプロテインシーケンサーに匹敵する配列情報を得ることができるようになっています。本演目では、De novoシーケンシングを行うための解析のヒントおよびボトムアップ/トップダウンシーケンスの測定方法および解析方法を実例を用いながらご説明します。

    ● 翻訳後修飾の基礎と糖ペプチド構造解析の基礎 14:50-15:20
    翻訳後修飾解析の中でも「糖鎖付加ペプチド」の解析例は、近年の質量分析技術の向上により分析事例も多く見かけるようになりました。しかし、糖・タンパク質を同時に解析する為には、サンプルに対する知識だけでなく分析手法にも習熟する必要が有り、挫折してしまうケースも少なくありません。本演目では糖鎖修飾の基礎から、施設に既に配備されているEASY-nLCやProteineer fc-II、自動解析アプリケーションであるautoXecuteを利用したワークフローについて紹介します。
    また糖鎖構造検索アプリケーション「GlycoWorkBench」ならびに糖鎖解析自動化アプリケーション「GlycoQuest」を用いた解析について御紹介致します。

    ● Biotyperによる微生物同定の具体的な解析例、応用例  15:30-16:20
    ● clinprotoolsによる臨床プロテオームの具体的な解析例、操作方法
    次世代の微生物同定法として注目を集めるMALDIバイオタイパーをご紹介いたします。微生物コロニーを直接ターゲットプレートに塗布し、マトリックスを添加するだけで10分以内に結果を得る事が可能です。得られる結果は、16S RNAシーケンス結果と高い一致率を示します。
    続いて、臨床プロテオームClinProtをご紹介いたします。特殊な機能表面を有する磁性ビーズを用い、簡便な前処理にて尿や血清サンプルを処理し、MALDI-TOF/MSにて測定、解析する事が可能です。
    *Biotyperアプリケーション及びclinprotoolsソフトウェアは既に施設の機器に導入されております。

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