技術講習会(マイクロアレイ)の開催

下記の要領で技術講習会を開催します。ご参加ください。

記 
 

  • 演題:マイクロアレイセミナーゲノミクス研究最前線「遺伝子発現からエピジェネティクスまで
  • 講師:アジレント テクノロジー (株)
  • 日時:平成19年10月25日 (木曜日)
  • 午後1時30分〜3時

  • 場所:遺伝子実験施設 1F セミナー室
  • 内容

1.マイクロアレイの基礎(約40分)
遺伝子発現解析を例に用いて、マイクロアレイ実験の概要をご紹介します。

2.マルチオミクス時代をサポートする高感度マイクロアレイのご紹介 (約60分) 

  • 新マイクロアレイフォーマット: オミクス研究を加速する新しいツール
  • 1枚のスライドグラス上に244,000もの高精度プローブの搭載が可能になり、さらに、約60%ものコストダウンを実現したことで、マイクロアレイを用いた研究は新たな局面を迎えています。アジレント社のシステムなら、共通のハードウエアで、miRNAをはじめ、遺伝子発現、CGH、ChIP-on-Chip解析ができるので、今最もホットな統合解析に最適です。

  • miRNA: miRNAアレイで開拓する新領域
  • わずか100ngのtotal RNAから驚くほど簡単にmiRNAの網羅的プロファイリングの解析ができます。もちろん、次世代アレイ解析に求められるqPCRとの相関性も良好です。

  • 遺伝子発現アレイ: 埋もれたパスウェイを掘り起こす
  • 高感度、高再現性を追及し続けてきたマイクロアレイシステムは、アレイ史上初の高感度を実現し、低発現領域の遺伝子発現解析を可能にしました。いよいよこれまで見えなかったパスウェイ/オントロジー解析の幕開けです。

  • アレイCGH: 微細なゲノム構造異常を突き止める
  • ノイズの低減にこだわったダイレクトラベリングと高品質なプローブ設計技術により、染色体のコピー数の異常をきわめて正確に検出できるようになりました。データの品質は生データを見ただけで分かります。

  • miRNA-遺伝子発現-CGH統合解析のご紹介
  • miRNAの発現プロファイルが、癌の組織や細胞の分化度の影響を明確に反映している報告も出てきています。

  • ロケーション解析: エピジェネティクス解明へのアプローチ
  • MITのホワイトヘッド研究所が考案した高精度のタイリングアレイ解析が、ES細胞に関与する転写因子の全ゲノムマッピングを実現しました。免疫沈降やDNAメチル化分析法を組み合わせて、エピジェネティクスな転写調節機構を解析するマイクロアレイのラインナップをご紹介いたします。

    遺伝子実験セミナー開催のお知らせ

    遺伝子実験セミナーを下記の通り開催いたします。
    多数のご参加をお待ちしております。

    • 演題:DNA二本鎖切断損傷を修復する機構で働くKu蛋白質の機能とライブセルイメージング
    • 講師:小池 学
    • 独立行政法人 放射線医学総合研究所 DNA修復遺伝子研究チーム

    • 日時:平成19年9月21日(金曜日) 15:00〜16:00
    • 場所:遺伝子実験施設 1F セミナー室
    • 内容:生物にとって最も深刻なDNA損傷であるDNA二本鎖切断(DSB)は、放射線、環境変異源等の外因性の要因により生じます。最近の研究から、高線量の放射線や高濃度の環境変異源等ばかりでなく、私たちが日常的に曝される低線量の放射線や微量の環境変異源によってもDSBが生じることが明らかにされつつあります。例えば、放射線作業従事者でみられる職業被ばくや宇宙飛行時以外にも、放射線による治療・診断を受けている時、航空機搭乗中など日常の生活でも低線量の放射線に曝される機会があります。一方、DSBはDNA複製、生殖細胞や免疫細胞の組み換え機構などでも生じるので、生理的にも常時体内に存在します。DNA損傷を修復する機構は生物にとって遺伝情報や生命の維持に欠くことができない機構の一つです。実際、修復蛋白質の欠損や変異を原因とする疾患として、癌、免疫不全症や早老症など様々な疾患が報告されています。Ku蛋白質はDSBを認識・結合して非相同末端結合機構 (NHEJ)を開始するDNA損傷センサー蛋白質で、Ku70とKu80のヘテロダイマーからなります。一方、モデル生物による研究から、Ku蛋白質は、発ガン抑制、抗老化、ゲノム安定性維持、テロメアー維持、アポトーシス、転写、複製、免疫細胞の多様化、ウイルスの感染等の機構で利用される多機能蛋白質であることが示唆されています。この多機能を調節する機構のひとつと
      して細胞内局在の時間空間的制御機構が重要な役割を果たしていると考えられます。また、Ku蛋白質を欠損する細胞が電離放射線や抗がん剤に高感受性になることから、ガン細胞を退治するための標的分子として期待されています。
       今回のセミナーでは、ヒトや齧歯類細胞でのKu蛋白質の機能とその細胞内局在制御機構、特に、DNA損傷直後のKu蛋白質の挙動についてお話ししたいと思います。さらに、現在進行中の私達の研究についても紹介したいと考えています。